デクノボーと呼ばれた菩薩(ぼさつ)さま


デクノボーと呼ばれた菩薩(ぼさつ)さま

このたび、当山では新たに常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)を勧請し、
安置したことをご報告します。

仏のご加護のもと、檀信徒の皆様ならびにご参拝いただくすべての方々の安寧を祈念し、
建立しました。

宮沢賢治の『雨ニモマケズ』と常不軽菩薩
「ミンナニ デクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
                   サウイフモノニ ワタシハナリタイ」
宮沢賢治さんは法華経を深く信仰し、その世界観を詩『雨ニモマケズ』に表されました。
詩に登場する「デクノボー」とは、お釈迦様の過去世のお姿である常不軽菩薩
指しているといわれてます。
常不軽菩薩は、人を決して軽んじることなく、
誰に対しても「あなたは仏さまになる尊いお方です」と敬い、生涯にわたり礼拝を続けられました。
そしてその功徳によって、亡くなった後に仏となられたのです。
(※詳しい常不軽菩薩のお話はこちらをクリック)
日蓮聖人も、「お釈迦様が説かれたすべての教えの中で最も大切なのは法華経であり、法華経の修行の核心は常不軽菩薩品にある」とおっしゃっています。さらに、常不軽菩薩品の教えである
「我深敬汝等 不敢軽慢 所以者何 汝等皆行菩薩道 当得作仏」
(私は心からあなたがたを敬います。決して軽んじたり侮ったりしません。
なぜなら、あなたがたは皆菩薩の道を歩んでおり、やがて必ず仏となるからです)
というお言葉と、「南無妙法蓮華経」は言葉は異なれど、意味は同じであるとも説かれています。
このように、日蓮聖人は常不軽菩薩の振る舞いこそ、
お釈迦様が本当に伝えたかった生き方であると示されました。

常不軽菩薩像について

当山の常不軽菩薩像は、彫刻家 能勢 貴臣(のせ たかおみ)氏 による心のこもった御作です。
そのお姿は、慈悲と敬いの心をもってすべての人々に礼拝を捧げた常不軽菩薩の精神を
見事に表現しております。また、ご参拝される方の心の在りようによって、
安らかなお顔、禅定のお顔、慈悲深いお顔と、表情が変わって見えるとも言われております。
どうぞ、その尊いお姿をお参りいただき、仏さまの教えにふれてください。

記念御朱印のご案内
勧請を記念し、新たに特別御朱印の授与を開始いたしました。


「デクノボー」のお姿を記した御朱印となっておりますので、ご参拝の折にはぜひお受けください。
当山の常不軽菩薩像は、訪れるすべての方に手を合わせ、敬いの心をもってお迎えくださいます。
どうぞお参りの際には、常不軽菩薩像をお探しいただき、手を合わせていただければと思います。
この機会に、皆さまがより一層仏さまの教えに親しまれ、心の平安と幸せをご祈念します。
南無妙法蓮華経