深草元政上人の短歌


深草元政上人の短歌

元政上人(1623〜1668)は、江戸時代前期にご活躍された日蓮宗のお坊さんです。
歌人としても有名な方で、伏見の深草の瑞光寺を開山して厳しい戒律の生活を送られました。

朽 はてね なを(猶)おりおりは  問(とふ)人の
こゝろにかゝる  たにの柴橋  妙子

いっそ朽ちて無くなってしまえよ。
やはり時々は訪ねてこようとする人の心に思い出される谷の柴橋だから

世を捨てて仏道修行に励む人の寂しさ、孤独感をかみしめる気持ちを歌われています。
妙子よいうのは元政上人のペンネームです。
仏教に関わらず、何かを追い求めるということは孤独なことかもしれません。
でも、そういう思いの方がたくさんおられたからこそ、今の私たちも思想や生活、文化
があるのです。
だから、あなたもひとりではありません。