日蓮聖人のお名前はどのような意味があるのですか?


日蓮聖人のお名前はどのような意味があるのですか?

「名は体を表す」と言う様に、名前というのは非常に大切です。
あなたの名前にはどうような意味がありますか?

おそらくご両親が「こんな人間に育って欲しい」などの思いを込めて
一生懸命に考えられ、名前をつけられたことだと思います。
日蓮聖人は幼名を「善日麿(ぜんにちまろ)」といいます。
おそらくご両親が名付けられたのでしょう。
16歳で天台宗の清澄(せいちょう)寺の道善房(どうぜんぼう)を師として正式に出家し、
名前を「是聖房蓮長(ぜしょうぼうれんちょう)」と改めました。
こちらの名前はお師匠である道善房が授けられています。
そして、32歳。
法華経、お題目を世界に弘める決意をされ、それまでの「是聖房蓮長」の名を改め、
「日蓮(にちれん)」と名乗られたと云われています。
日蓮聖人の「日」は「太陽」、「蓮」は「蓮華」を意味し、
ご自身で法華経から文字を選ばれています。
「日」という字は『如来神力品第二十一』の
「如月光明 能除諸幽冥 斯人行世間 能滅衆生闇
(日月の光明のよく諸の幽冥(暗闇)を除くがごとく
この人世間に行じてよく衆生の闇を滅す)」から
「蓮」という字は『従地涌出品第十五』の
「不染世間法 如華在水
(世間の法に染まざること蓮華の水に在るがごとし)」
から引用されています。
また、日蓮聖人が50歳の時、四条金吾さんの妻がご懐妊された時に
送られたお手紙『四条金吾女房御書』には、
「明かなる事日月にすぎんや。浄き事蓮華にまさるべしや。
法華経は日月と蓮華となり。故に妙法蓮華と名く。
日蓮又日月と蓮華との如くなり。
信心の水すまば、利生の月(功徳)、
必ず応を垂れ、守護し給うべし」と仰っています。
どのような意味から言いますと、
万物を照らすには太陽の光が最も優れている。
蓮華は泥沼に生息しているけれども、
泥に染まることなく清らかな花を咲かせる。
清らかさにおいて蓮華の花に勝るものはない。
法華経という教えは太陽と蓮華のようである。
全てのものを救い、この穢れた世界で清らかな仏になる教えである。
日蓮の名前も法華経に説かれてる太陽と蓮華から拝受したものである。
澄んだ水面に月が美しく映るように、
信心を持てば、必ず御仏、諸天善神がお守り下さります。

まさに日蓮聖人は名前の如く、一切衆生救済の為にその生涯を賭されたのです。
私たちが法華経を信じ、お題目をお唱え出来るのは、
日蓮聖人が太陽と蓮華のように生きられたからです。
報恩の心を忘れてはいけませんね。
私たちが戒名に日号(例:日○信女、日○居士)を頂くのは、
仏となり御釈迦さま、日蓮聖人のように一切衆生を見守り、
救う意味が込められているのです。