茶釜の蓋開く


茶釜の蓋開く

誠にもって喜ばしいことに約40年ぶりに松林院の茶室の釜のフタが開きました!

母の話によると、先代の時は、定期的に茶道教室が開かれていたそうですが、
先生の高齢化に伴い、教室も無くなってしまったそうです。
私自身も茶道の経験は無く、自坊の茶室で一服するのも今回が初めてでした。
今回、茶釜の蓋を開けてくれたのは、キュレーターの108artworksの渡邊 賢太郎さんでした。
アートの展示企画などを主にされている方で、今回、「アートとお茶」という古典ながらも
現代では既に新しくも感じる試みで「寄合−Gathering-vol.01」と題して企画して下さいました。
アートでは、現在オランダを拠点に活動されているアーティストの濱 大二郎さん。

お茶では、「陶々舎」の茶人の天江 大陸さん。

僧侶の私が言うのも何ですが、茶の湯というのはもっと堅苦しいものだと思っていました。
茶人の大陸さんは、最先端の茶の湯の在り方を探っておられ、
今回はカジュアルに作法を知らない私たちにお茶のその奥深い思想や美学に触れる
機会を与えて下さいました。
彼の作法や手法を拝見し、私も儀式の大切や崩し方、空間の切り取り方を勉強させて頂きました。
何より初めての茶の湯に感動しました!
30分程、お茶を体験し、大二郎さんの作品を飾った書院にて実際アーティストの方がどのような思いで作品を描かれているのかをお話頂けました。参加者の方もゆるりと作品やお庭を眺められ、
チルアウトされていたように感じます。お茶の後の鑑賞会は非常に心地の良いものでした。
今回は、大二郎さんの過去の作品で150号のキャンバス作品も飾って頂きました!
幅2mを超す大型の作品です!こちらの作品も非常に素晴らしかったです。
しかし、せっかく飾って頂いたのにわずか一日で全て撤収…
まさに諸行無常であり、非常に刹那的な美しさが心に残る素晴らしい企画だったと思います。
企画して下さった渡邊 賢太郎さん、濱 大二郎さん、天江 大陸さん。そして来寺して下さった皆さま、
本当にありがとうございました。茶釜も喜んでいるに違いありません。

Tags:
,